都市と郊外の汽水域を読み取る装置
“Circle Walk”は、その都市の持つ表情を歩行で記録する作品シリーズです.人間の営みの延長として生まれた都市の現在を、GPSロガーによる軌跡で写しとります.
世界各地をキャンバスにGPSで描いた経験から、都市化とその過程について考えるようになり、テーマとして取り組みだしました.
全てのサークルウォークは、コミュニティの中心を中心にした半径3.1415kmの正円です.この距離は、都心と郊外の汽水域となります.
中心からの距離を共通にすることで、都市ごとの拡がりと抗う自然が可視化されます.道中には、住宅街、学校、ゴルフ場、工場、倉庫、田畑、雑木林……人間と自然の営みが共存し、独自の表情が描けます.
また、同じ都市でも、歩行する日により異なる円になります.日々成長する道路、施設の開閉、天候や工事による立入禁止区域……など.
それら干渉と歩行者のせめぎ合いにより、その日その都市で最も完全な円形の道を描きます.